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これから到来する災害に向けた日本の医療の将来/進むべき道
一般国民において地震災害、水害などによる災害貧乏が起こっているという話はよく聞きますが、医療機関経営においても同じです。災害貧乏が発生するのです。
それは地震災害、水害などにより建物が被害を受けたり、医療機器が破損、動作不良を起こすことで病院の費用がかさみ、銀行等の借入を増やしてしまうことによって引き起こされるものです。
従って、温暖化による気候変化による水害、地震等の予想外の災害に見舞われることを想定して病院経営の一環として災害対策をすることは将来の必須事項といえます。いつどこで何が起こるかわかりません。首都直下地震が今後30年で70%、南海トラフ地震が100~150年以内で起こると言われています。確実に日本の医療機関の約70%が何らかの被害を受けることを考えるとほとんど日本全国の医療機関が災害に備えることが必要であると考えられます。
◇病院、診療所の建物についての留意点をご案内します。
・建物、医療機器の保険を確認する、その場合水害、火災、地震などどの災害にどれだけの補償が出来るのかすぐに確認をする。それは建物なら自身の保険証券、医療機器ならリース会社が加入している保険が現状どの規模の保険かを確認することから始めること
・建築会社に災害の場合の耐震構造の状況をきちんと確認する。理解できなければ迷わずセカンドオピニオンを入れる。
・今後改正耐震法や老朽化などの理由で建て替えを検討している場合、まず建設予定地が地震、水害などに耐えられる土地かどうかなど様々な角度から検討し、駄目なら移転も検討する
◇食料、水等についての留意点をご案内します。
・電力、水などのライフラインの確保方法を確実にしておく
・医療機関の中で食料、水の備蓄はしているが、賞味期限を切らして廃棄をしている医療機関お話を時折耳にします。これは問題です。災害備蓄をする、このような在庫を消費期限切れ等にしないうちに売って常に新しいものを入れるというしっかりとした在庫管理術を実施する
◇医療機器、医療資材についての留意点をご案内します。
・地震の場合医療機器はストッパーをつけていてもかなり揺れて機器の動作不良に繋がる、そのため災害に備えた、メーカー側の製品改良が必要ですので病院とメーカーが話し合う必要があります。これは世界各地で需要が出てきますのでより良いものにすべきです。
・医療機器・医療資材の調達につい独立行政法人労働者健康福祉機構、独立行政法人地域医療機能推進機構などにおいて似たようなことが行っていることはご承知のことと思います。もっと同じグループでない医療法人同士の広い範囲で医療機器・医療資材の調達することでコストを削減すると同時に災害時の医療機器・医療資材の調達も容易になります。
是非広い範囲の医療法人での共同調達の取組を進めることは重要な課題といえます。
◇金融機関についての留意点をご案内します。
・災害が起こった場合、混乱すると同時に費用が見る見るうちにかさんでいきます。そのためメンバンクとの借入返済のリスケ及び追加融資の相談が不可欠になります。日頃からの金融機関との信頼関係は必要です。そのためには日頃から出来るだけ良い形で病院経営を行うこともあわせて取り組むべき課題です。
是非広い範囲の医療法人での共同調達の取組を進めることは重要な課題といえます。
◇もし病院経営、診療所経営が破綻しそうになった場合の留意点をご案内します。
・もし仮に、災害で病院経営、もしくは診療所経営が破綻してしまいそうになった場合は様々な選択肢を検討することになります。そして下記の3つが考えられます。①閉院、倒産②別の医療法人からのM&A③全く新たな出資者による病院・診療所再生④海外からの投資を呼び込む(海外からの投資を呼び込む場合様々な病院経営、診療所経営の経営改革などが必要となります)
東京直下型地震被害想定令和4年(出典:東京都)
南海トラフ地震被害想定令和4年(出典:内閣府)
医療施設の災害対応のための事業継続計画(BCP)(出典:厚生労働省)
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